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ハイファイ・セットというグループが歌っていた曲に「モデリアーニの女 やさしい目をしている ♪」というフレーズがあった。ぎょろついたバルタン星人のようなブルーグリーンの目がそんなふうに見えるのが不思議だ。瞳が欠けて妙にやせ細った病的なモデリアーニの女に魅力はない。目の動きや口まわりの動きを欠いた絵はどこかよそよそしい。 単調な高速道路を走行中にラジオから流れるたよりなげな女の子の歌を聴いていたら「へたでしょ。アイドルだもの」と同乗していた娘が言い出す。沢尻エリカというハーフっぽい顔つきのアイドルのようだ。やっかみ混じりの娘の皮肉がわずらわしい。親父が面喰いなことを忘れてほしくない。横にはその面影がかすかに残る妻がいるのに。 といっても、目鼻立ちやプロポーションが整ったダ・ヴィンチや媚態を強調する浮世絵が描く女性になじめない。そんな女性は手入れや保管の心配だけでなく浮気されて悩む気苦労も増すだろう。もてはやされるアイドルには容姿に加えて親しみやすさもある。へたな歌だから安心でき、笑いをかもすのだろう。 イタリアに生まれたモデリアーニ(1884ー1920)は20世紀初頭のパリで放蕩を尽くして35歳で去った画家である。面長な顔付きにブルーグリーンの瞳の女性画を残している。乳白色の肌の女性を描いた藤田嗣治(1886ー1968)とパリで活動していた時期もある。どちらも裸婦の絵を残しているがゴヤのマハが放つ妖艶さはない。目つきがどことなくピンボケなのが不思議である。どうでもいいことだけど、横たわる裸婦像の原型はルネッサンス盛期のイタリアで活躍したジョルジョーネ(1476ー1510)という画家にあるようだ。『眠れるヴィーナス』という絵はゴヤにも通ずる。関心のある人はドレスデン美術館に出向いてください。 【追記】 藤田嗣治という画家についてはこのブログでは2006/02/12、2006/05/09、2006/05/19でふれています。ホームページの「本の紹介」にまとめていますので関心のあるかたはごらんください。 |
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