道楽親父の独り言

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<<   作成日時 : 2008/07/13 18:27   >>

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 リズムやタイトルにつられて受け入れるのが異国の歌だろう。中にはたったひとつの文句に惹かれて記憶に残る歌がある。聞き違えや誤解が伴ってあとで冷や汗を何度かいたことか。セシリアがそれだ。反対に、タイトルがわからず無関心でいた歌が訳詞を読み直してこんな内容だったのかと驚くときもある。ポール・サイモンのスリップ・スライディング・アウェイ Slip Slidn' Awayは《滑って転んでつまづいて》である。

1 セシリア

 Cecilia(いとしのセシリア)という曲を確めるために久しぶりに山本安見訳のサイモン&ガーファンクル詩集を開いた。生ギターに手拍子も入る陽気な曲でちょっぴり懐しい。l969年に発表され、曰本でもちょっぴり流行った。去った彼女に焦がれる歌で帰ってきてくれと叫ぶのは今では気がひける。でも、若い頃は次のフレーズをこっそり口ずさんだ。

Cecilia, you're breaking my heart
You're shaking my confidence daily.
Oh, Cecilia, I'm down on my knees,
I'm begging you please to come home.

   セシリア きみは僕の心を傷つけて
   日ごと 僕の自信を揺り動かす
   ああ セシリア ひざまついて頼んでいる
   どうか帰ってきておくれ 〔山本安見訳〕


 始めに出てくるブリーキング(breaking=傷つかせる)をべ一キング(baking=焼く→身をこがす)と長い間き違えていた。次にShaking(ゆりうごかす→ゆさぶる)とくるから、このほうがわたしにはぴったりする。これをブレーキング(brake=束縛する→足かせ)と錯覚しなかったのも不思議だ。セシリアだってシーリアと勘違いしてきた。

2 スリップ・スライディング・アウェイ

 ディオ解散後の歌だから気がつかなかったが、ポール・サイモンにはSlip Slidin' Away(スリップ・スライディング・アウェイ)という歌がある。1977年の作品だからわたしも知らなかった。l975年の「マイリトルタウン」や「恋人と別れる50の方法」ほどインパクトがなかった。

 ポール・サイモンの詩には神(God)がつきまとう。初期のスカボロファエアー(詠唱)やサウンド・オブ・サイレンスもそれが煙たくてなじめなかった。わたしは苦しい時にも神頼みをしないから男と女んの結びつきにも神が介入するのも煙たい。でも、《滑って転んでつまづいて》は何でこの日本語訳がつかなかったかと思う。ありきたりすぎるからだろうか。

God only knows,
God makes his plan,
The information is unavailable to the mortal man.

We work our jobs,
Collect our pay,
Believe we are gliding down the highway,
When in fact we are Slip Slidin' Away.
 
   神のみぞ知る
   神のみが計画をたてる
   われわれ人間には
   情報が何ひとつ手に入らない

   僕らは与えられた仕事をこなし
   ただひたすら 給料をためこむ
   ハイウエイを走っているつもりでいるが
   実際のところは 滑って転んでつまづいているだけ〔山本安見訳〕


 わたしには皮肉ともみられる上のフレーズは何となく煙たい。でも、《目的地が近ければ近いほど/滑って転んでつまづくものさ》と繰り返されると思わず苦笑いする。通り過ぎた道は振り返ることはできるけれど、明日のことは男と女のことだけに限らず皆目不明だ。《ハイウエイを走っているつもりでいるが 実際のところは 滑って転んでつまづいているだけ》というフレーズが身近に感じられるこの頃である。

Slip Slidin' Away,
Slip Slidin' Away,
You know the nearer your destination,
The more you're Slip Slidin' Away.

     滑って転んでつまづいて
    滑って転んでつまづいて
    目的地が近ければ近いほど
    滑って転んでつまづくものさ〔山本安見訳〕


 引用が多くなりましたが、作詞・作曲はポール・サイモンです。山本さんの本はシンコーミュージック発行でわたしは2冊持っていてたまに読み直しています。英語は今も苦手で喋ることも書くこともできません。

【補記】

 サイモン&ガーファンクルについてはホームページの「フォークのことあれこれ」04でくどくどと想い出を並べています。また「女房と仲良くする20の方法」はポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法」をパクッた駄文集です。

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